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# エギング

究極のブランクが生み出す至高のエギング ディープマスター・木下大介が語る
ソリッドティップを軸にしたEG Xのゲームプラン

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一切の妥協を排したハイエンドモデルの矜持

ブランクスはもちろん、ガイド、グリップなど全てのパーツの「いまやれることをやり尽くす」という方向性で開発がすすめられたEG Xシリーズ。実釣で磨き抜かれた戦闘力は、開発陣の矜持さえ感じられるハイエンドモデルとなった

すでに成熟期に入ったといわれるエギングゲーム。エギというシンプルなルアーでアオリイカに迫る時、トップアングラーが求めるロッドの在り方に、ラグゼの開発陣が全力で応えた。その結論がEGXシリーズである。ただのスペックでは語れない「本物のハイエンド」の全貌をディープマスター・木下大介に語ってもらおう。

PROFILE
木下 大介

解説:木下 大介

エギング黎明期からその進化を追求。京都在住で関西エリアの激戦地をホームとし、「水深10mまではシャロー」と言い切るディープマスター。ボトムにこだわるスラックジャークを駆使して周年サイズアップを狙い、ランガンスタイルを貫くラグゼプロスタッフ

「79Mの感覚で使えるソリッドティップのロングロッド」
木下が熱望したS89M-solidが持つ戦闘力とは

「ハードソリッド」が実現した超高感度のリサーチ能力

ラグゼ/EGXのラインナップで、ひときわ目を引くのが、唯一のハードソリッドティップを配したS89M-solidであろう。これこそ、このシリーズの開発が始まった時、木下大介が熱烈にオーダーしたモデルなのだ。 「ソリッドティップは、『柔らかくて目感度がいいけど重くてダルい』よくそう言われるけど、それはもう過去の話。いまの技術でとことん突き詰めれば、S89M-solidのティップのように、柔らかいのに軽くてチューブラよりも感度がいいロッドになる。イカのアタリはもちろん、着底感もしっかりでる。ボトムを狙う僕の釣りではS89M-solidがないと始まらないよ」。
もちろん同じ素材で作れば、物理的な鉄則として、中空のチューブラはソリッドよりも軽くなる。だが、そこはソリッド材の匠を擁するラグゼ開発陣。チューブラよりもはるかに細くできるソリッドならではの特性をいかして、従来の「ソリッドティップ」の常識をくつがえしてしまったのだ。
9ft弱というレングスの設定は、遠投した先のボトムでより高くエギを跳ね上げるための長さだ。だが、ロッドは長くなるほどに操作性は下がり、ジャーク時の負担も大きくなる。 「僕がオーダーしたのは、EGRRのS79M-solidと同じ感覚で使える9ft前後のロングロッド。いま思えば、かなりの無茶ぶりだけど、ファーストプロトからいいものが上がってきて、本当にびっくりしたよ(笑)」。
その秘密は高弾性素材をメインに、「TORAYCA®T1100G」をコンポジットした製法にある。これによって劇的な軽さとシャープな操作性の融合が実現した。
「これはシリーズ共通の特性で、持った瞬間の軽さには驚く人が多いけど、ロッドを振ってみれば華奢な感じはいっさいない。むしろ頼もしいぐらいだね」。

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S89M-solidの「ハードソリッド」

S89M-solidのティップは、先径こそ共通の0.9mmだが、「ハードソリッド」の採用で、柔軟でありながらチューブラと遜色のない手感度を実現している

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ディープのイカパンチもこのとおり

少々風や波があり少々ラインがたわんでいても、S89M-solidは手感度を失わない。ディープレンジのイカパンチも手感度で掛けにいける。この特性は、ラインが見えないマヅメ時には強力な武器になる

超高感度ロッドを武器にしてディープの「竿抜け」を叩く

軽いのに頼もしい、ソリッドティップでありながら感度がいい。従来の常識を覆す使用感の秘密について、ラグゼ開発陣にきいてみると……。
「まあ、ひとことでいえば、ブランクを構成するカーボンマテリアルの進化につきますね。もちろんキモの部分は企業秘密ですけどね(笑)」とは、設計者のK氏のコメント。
これによって、製法上チューブラより細くできるソリッドのティップをさらに細くして、ベリー~バットにおいても強度を犠牲にすることなく軽くシャープなブランクを組み上げることができたのである。
「いまのエギングは、どこへ行っても人が多い。だからこそ、人が狙わない深い場所にある根を攻めたい。僕にとっては“10mまではシャロー”(笑)。若狭や丹後なら、11月末から2月には、20~30ⅿまでは、ベーシックで狙う範囲ですよ」と木下はいう。
だからこそ、新世代ソリッドのティップを搭載した8ft9inのロングロッドなのである。
「ラインが見えなくても、着底がしっかりとれるから朝夕マヅメの釣りがすごく楽になる。イカパンチを掛けられる手感度があるのに、ラインを張っていなくても、ティップの荷重の変化で流れの向きが読めます」。
同時にソリッドティップは、追従性が高いから、少々の風や波があってもエギのフォールが乱れない。フリーフォールが前提で「竿抜け」のディープを狙うときのアドバンテージも見逃せないと木下はいう。
「おまけに、この長さと高弾性コンポジットブランクのおかげで、ジャークのときには、バットがエギを動かして仕事をしてくれるから、早朝から1日釣っても疲れないんですよ。しゃくっている感覚はチューブラと変わりません。一度でもこのロッドを使ったら、もう手放せなくなりますよ(笑)」。

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「ロッドが仕事をしてくれる」から疲れない

よく曲がるのに高弾性なブランク特性により、バットの反発力を楽に使えるから、木下が多用するスラックジャークも一段と冴える。8ft9inというロッドのレングスも全く苦にならない。未明から日没まで、全集中でゲームを展開できる

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フルキャスト時もまったく不安はない

細く繊細なソリッドティップだが、キャスト時の不安はまったくない。飛躍的に強くなったブランクがエギングロッドを大きく進化させたのだ

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藻場を攻略する春イカにも最強

「春に狙う、藻場でのいいサイズはイカパンチを掛けていかないと獲れないことがある」と木下はいう。プレッシャーが高いことが前提となった激戦区では、周年にわたって高感度なソリッドティップのロッドが武器になるのだ

EGXシリーズの各モデルと使いどころ
獲るための戦略的なエギのローテ

注目の流す、巻く釣りにおけるソリッドのMとMLの破壊力

現在のエギングでは、ジャークとフォールで乗せるスタイルにくわえて、潮流の強いエリアでは、エギを潮に乗せてポイントまで流し込み、ティップの変化や荷重変化で乗りを獲るという、いわばショアからのティップランエギングやドリフト釣法というスタイルもかかせなくなった。
「そんな状況では、S89Mよりもソフトなソリッドティップを乗せた、S86M-solidとS86ML-solidが最高です。エギの存在感をしっかり感じながら探れるので、面白さも格別です」。
もちろんこのロッドも格段に軽く高感度なので、通常のポイント(つまり木下ほどディープを攻めないケース)で使っても非常に効果的なのだ。
「激しい動きにスレた漁港のイカには、こいつらの“角が取れたジャーク”がいいですね。波や風があってもフォールやステイが乱れないから激戦区では頼りになりますよ」。
この特性は、エギを微速で水平移動させる「巻く釣り」にも最適で、負荷への追従性が高いソリッドの恩恵を最大限に活かせるモデルなのである。また、異次元の微波動系手感度がでるのも特徴。
「MとMLは、水深や流れの強さ、エギのサイズで使い分けてください。釣りの幅が大きく広がるはずですよ」。
なお、EGXでは、MとML、MHにて8ft6inで統一されたチューブラーモデルも配備されている。
「MとML、超高感度な特性と切れのいいダートを使うときに登板させるモデル。スタンダートなエギングロッドの使用感を新しいブランクで磨き上げたモデルです。僕は、無風のべた凪のときにはよく使います。MHは和歌山なんかでやるレッドモンスター対応モデルです。大きなディープタイプのエギを深く流れの強いポイントで、切れのいいジャークで動かすモデルです」とか。
ちなみに、レングスが8ft6inに統一されているのは、MやMLでは、ソリッドモデルとのジャーク時の使用感を合わせるため。こんなところにもハイエンドモデルのこだわりが垣間見えるシリーズなのである。

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ソリッドティップのベンドカーブ

S89M-solid とS86M-solid に同重量のウエイトを乗せた時のベンドカーブ。見た目にはわかりづらいが、89は「ハードソリッド」で適度な張りがある。一方、巻く釣りで活躍する86の「ソフトソリッド」は同じMでありながら、ややソフトなテイストがうかがえるベンドカーブだ

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浅い小磯ならS86M&MLのソリッドで

波や風で少々海面がラフな状態でもソフトなソリッドティップがステイやフォールを安定させてくれるので、激戦区でも乗せるチャンスを広げてくれる

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無風べた凪ならチューブラモデルで

無風べた凪の条件下で、切れのいいジャークとリニアなエギの操作感ではチューブラモデルが活躍してくれる。これは3号のエギで乗せた秋の一杯

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こだわりのガイドセッティング

EGXシリーズでは、ティップセクションには、チタンフレームのSiCガイド、バットガイドにはトルザイトリングのガイドを採用。ジャークやキャストの振りぬけ感とさらに持ち重りを軽減し繊細な操作をサポートするこだわりだ

エヴォリッジシリーズのタイプ&カラーの使いどころ

“水深10ⅿまではシャロー”という木下が、愛用するエギは、じつは意外にもエヴォリッジの『シャローモデル』だ。
「エヴォリッジにはベーシック、シャロー、デッドフォールの3種類があります。『シャロー』と名乗っていますけど、適度にゆっくり沈むという位置づけのエギです。ベーシックなエヴォリッジは、一般的な他社のエギよりフォールスピードが少し早めなので、ラインを張りながら沈める人向けですね。僕の場合は、張らず緩めずのゼロテンションフォールを理想としています。ですので、『シャロー』の出番が多くなります。フリーフォールないしゼロテンションフォールで使う場合は、ベーシックはディープモデルのつもりで使うとちょうどいい。沖磯や水深の深いイカダ、急流の場所用。デッドフォールは、浅い藻場や潮止まりにも強いので、干満差が少ない日本海でよく活躍してくれますね」。
エギングにおけるフォールの重要性は、いまさら語るまでもないが、この言葉は、日常的に激戦区でイカを追う木下のこだわりが集約されているので覚えておきたい。木下は、こうしたエギの使用感を統一するために、周年ラインはPE0.6号、リーダーは2号を使う。
「0.8号では、風や流れの影響を受けすぎる、0.4号では、根掛かりの回収率がわるすぎます。最終的に、春でも秋でもこのバランスに落ち着きました」とのこと。
なお、基本のメソッドは、ボトムをとったら鋭いスラックジャークを連続で5回ワンセットがベース。秋には、中層~水面までジャークの数を増やしてシャクりあげることもあるが、基本的にはボトムでサイズアップを狙う。
「狙いはボトムから2mです。ダートでエギの移動距離を抑えながら、足元まできっちり探ります。特に漁港では、足元のケーソンにイカがついていることが多いですからね」。
ピックアップ時についてきたイカがいれば中層のステイも駆使して掛けていくが、最初から小型の見えイカを追うことはしない。
「いいサイズは、必ず一等地の少し攻めにくい場所に残っています。10ⅿ超のボトムにある根なんて、あまり狙う人はいないですからね(笑)。エギのカラーも重要で、赤やピンク、オレンジの派手系だけでなく、ナチュラル系のカラーも必ずいれて反応を見たいですね。エギングって、結局ルアーが一種類しかない釣りなんですよ。だからこそ、カラーローテは丁寧にやりたいです」。
3種類のエヴォリッジシリーズには、2020年、さらなる新色がデビューしている。EGXの戦闘力をさらに活かすこの新色で、激戦区のエギングゲームを勝ち抜いていこう。

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主力エギとスーパーサブ

木下の主力エギとなるエヴォリッジのシャローモデル(写真内左)。潮止まりに強いのがさらにフォール速度を下げられる同デッドフォールモデル(写真内右)。カラーは左がイセエビレッド、右がチャリコピンク。木下はこういった赤テープベースのカラーから入ることが多いという。

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ナチュラルカラーが効いた!

エヴォリッジシャローモデルの「ケイムライワシ」で獲った一杯。サイズは小型だが、激渋の取材時にカラーローテで乗せた

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2021年、追加されるNEWカラー。釣れにくくなったといわれるエギングシーンを打開するための新戦力だ。

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中層~ボトムのステイで見えイカを乗せる

エギの後ろに見えイカがいたら中層~ボトムのステイで乗せる。この時の反応もヒットカラーを探る手掛かりになる

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お気に入りの赤テープで引き出した

デッドフォールの「ダブルレッド」で引き出した、まずまずのサイズ。木下のカラーローテでは赤テープは、絶対かかせない戦力だ

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エギングゲームのさらなる高みへ……

EGX&エヴォリッジの最新タックルは、ゲームの進化を加速する。エギングゲームのさらなる高みを目指す人に捧げるラグゼからのメッセージなのだ